はじめてのGeant4~Hello world~
はじめに
本稿では、Geant4を使ったごく簡単なアプリケーション(Hello world)を作成することを目的とします。
筆者の環境
- Windows 10
- Geant4 v11.0.0
- Visual Studio 2019 community
Geant4とは
wikipediaから拝借。
Geant4(GEometry ANd Tracking)はモンテカルロ法を用いて「物質中における粒子の飛跡をシミュレーション」するためのプラットフォームである。これは、CERNによって開発されたソフトウェアツールキットであるGEANTシリーズの後継ソフトウェアで、初めてオブジェクト指向プログラミング (C++)を用いたものである。
ソースコード
以下のような簡単なソースコードhello.ccを用意します。
#include "G4ios.hh" int main(){ G4cout << "Hello world" << G4endl; return 0; }
G4cout、G4endlはGeant4が提供する入出力ストリームです。G4ios.hhをインクルードすることで使えるようになります。iostreamみたいなものです。
ビルド
先ほど用意したhello.ccをビルドします。Geant4ではcmakeを使ってビルドします。cmakeを使うとビルドに必要ないろいろな手続きを自動化できます。以下のCMakeLists.txtを作成します。ファイル名は必ずCMakeLists.txtしてください。
# cmakeのバージョン設定 cmake_minimum_required(VERSION 2.6 FATAL_ERROR) # プロジェクト名 project(hello) # Geant4の読み込み find_package(Geant4 REQUIRED ui_all vis_all) include(${Geant4_USE_FILE}) # コンパイル&リンクして実行ファイルを作成 add_executable(hello hello.cc) target_link_libraries(hello ${Geant4_LIBRARIES}) # 実行ファイルをインストール install(TARGETS hello DESTINATION bin)
Visual StudioのDeveloper Command Promptを開きます。以下のコマンドでビルド用のフォルダを作成して移動します。
mkdir build cd build
こんな感じのフォルダ構成になっているはずです。
---/ ├─hello.cc ├─CMakeLists.txt └─build
以下のコマンドでビルドします。
cmake ../ cmake --build . --config Release
実行
以下のコマンドで実行します。
./Release/hello.exe
Hello worldと表示されれば成功です。
まとめ
今回はGeant4でHello worldしました。